12月になって朗報が続いて入ってきた。共に文化庁「本物の舞台芸術体験事業」に採用されたというニュースである。
かつて「歌座」が独占的に上演を続けていたフォークオペラ《うたよみざる》を、その出演体験者が多い東京室内歌劇場の運営委員会からレパートリーとして全国展開したいとの申し入れが大分前にあって、「この作品は別に歌座に上演独占権を与えているわけでないから、上演は自由です。台本の川村光夫さんも喜ばれるでしょう」と返事をしてあったが、2008年の文化庁「本物の舞台芸術体験事業」に採用されたと伝えられた。地域は未決定だが10月後半にツアーをするらしい。名だたる室内歌劇場だから安心して任せられよう。《うたよみざる》は 「歌座 」での最終公演が254回目だったから、255回目は東京室内歌劇場の公演になろう。どこまで公演実績を伸ばしてくれるか楽しみなことである。
もう一つは、オーラJの《羽衣》。これも06年に続き08年の「本物…」に決まったそうだ。こちらは、私が《愛怨》作曲中、オーラJの充分な監督ができなかったのを挽回するため、05年作曲完成と同時に、団体の生存を賭けて無理を押して作曲・制作に励み、練習中危うく自分の命まで賭ける血圧230で救急車で運ばれる事態を招いた懐かしい(?)プロジェクトである。オーラJにはこれを機に北杜国際音楽祭での「全国現代邦楽合奏団コンヴェンション」でのホスト役や、定期演奏会の活況を将来し、去る6月第20回定期での「三木稔喜寿記念コンサート」を経て、3月11日の第21回定期演奏会で初演する《三味線協奏曲》を今作曲中である。