徳島邦楽集団


2008年9月11日 三木稔

5月18日、創立10周年を迎えた徳島邦楽集団が、積み重ねてレパートリーにしてきた私の作品が、ダンス・コンセルタントI 《四季》、《瀬戸内夜曲》、彼らの委嘱《ホタルの歌》、《三つのフェスタルバラード》等7作にもなって、08年の定期演奏会のこの日、三木作品特集でやるという。ありがたいことだ。必要とする数曲は私が指揮をすることになるらしい。

【事後追加】徳島県郷土文化会館に満席の聴衆を集めて徳島邦楽集団創立10周年、第8回定期演奏会が行われ、大進歩を遂げた上記曲目とあわせて、私の指揮で《巨火》第3部を熱く、熱く演奏した。団員はすでに40人を超えているが、指導者の藤本玲さんが長年育て全国コンクールで7連覇した阿南中学、更に急速に実力をつけつつある城東高校と、continuing educationの見本のように豊かな若手のメンバーソースを持ち、ヴォランティアに献身する熟年まで年齢層のバランスが見事に取れたこの集団の未来には、日本の各アマチュア芸術団体の平均年齢がどんどん高齢化していく現状と比べ、底知れない可能性ありと感じるものがあった。昨秋徳島であった国民文化祭では、この団体があったが故に、県から委嘱されて初演した《ふるさと交響曲》に邦楽器群を加えられた。私が四十数年前に口火を切って創めた現代邦楽現代化・国際化の運動を、故郷の団体が正統に継承し、地域からの発信のモデルとなって力強い活動を展開しつつあることはなんと嬉しいことであろう。この11月には、1971年に作曲して四国放送から文化庁芸術祭に参加、見事優秀賞を得た《阿波の子タヌキ譚》を、初演した徳島少年少女合唱団の定期演奏会に出演して上田収穂指揮で演奏する手はずになった。来春は逆に徳島邦楽集団の定期に徳島少年少女合唱団が出演する。


三木 稔