5月21日には日本音楽集団が、できるだけ多数の演奏者をステージ一杯に載せて《巨火(ほて)》をやりたいという。それは願ったり叶ったりだ。
八ヶ岳「北杜国際音楽祭」に併設する「全国現代邦楽合奏団コンヴェンション」の最終コンサートでは毎回《巨火》第3部を百人近い演奏者が共演して、熱く熱く燃え上がって帰っていく。70年代、私が音楽監督として字義通り日本音楽集団に献身していた時期、演奏者たちを燃え上がらせるために自分で企画した76年の「ニューかぐら」コンサートで、もちろん無償で書いた曲だ。あれから国内はもちろん世界の舞台が何十回、燃え上がっただろう。私が集団在籍中、最後のプロデュースだった84年ツアーで、ベルリンのコミッシュオパーで演奏した《巨火》を舞台袖で聞いていた私は、終わった途端、マジ「地震が来た」と身構えた。「いやここはベルリン、地震が来るはずはない、では何?」と思って気付いたのは、ブラボーと口笛と拍手と足踏みが混ざり合って地鳴りのようになった震動だった。是非、第一生命ホールで再現して欲しい。