6月7日(土)午後、銀座王子ホールで「結の会」20周年記念公演として、久しぶりのシズカ楊静(ヤンジンYang Jing)東京リサイタルが行われる。実は1998年の10周年公演も、日本でまだ名もなかった楊静(その頃まで「ヨウ シズカ」と呼ばせていた)のリサイタルを同じ王子ホールでやった。
96年9月、オーケストラ・アジア活動の3年目に、中国代表の中央民族楽団での年功序列で前任者よりずっと若くて初来日したシズカと知り合ってその技術や音楽性、そしてこれからの音楽への強い意思に瞠目し、私の独断で、97年プレ長野オリンピック芸術プログラムでのオーケストラ・アジア公演で初演する《琵琶協奏曲》のソリストに登用した。その際もそうだが、日本で無名の若い民族楽器のソリストの登用は一種の賭であり、今やヨーロッパを主戦場に、国際的に押しも押されない大ソリストとして活躍するこの天才を、よくぞ発見し、教え教わりつつ指導し育てきったものだと喜寿の今、感無量である。