日本が、いや地球が、その行方を危ぶまれた昨年は、私も次々に降りかかる受難に襲われる中で、皆さんに守られて創作を続けられましたが、どうやら21世 紀2桁の年の始まりを見られました。昨年は半年に頭と腹を4回も手術した私を元気付けようと、現代邦楽界の人たちが発起人になって「福岡アジア文化賞受賞 と傘寿」を祝うダイナミックな会を師走の日比谷で催してくれました。添付の写真は、その折の私の妻と二人の娘と孫たち(神戸の孫の一人は欠席)に囲まれ、 半分くらい体重の戻った私ですが、かくなる上は、もうしばらく人と地球の行方に役立つ創造を果たしたいと心を引き締めています。
今年は1月26日(火)サントリーホールの東京都響定期で演奏される管弦楽のための《春秋の譜》、その前後からいろんな演奏家による私の作品の演奏を聞いていただける機会が続きます。海外でも、2月20日を初日に6月まで8回(スポンサー次第で10回)、青春のハイデルベルク市劇場で上演されるオペラ 《愛怨》ドイツ初演という大イヴェントを初め、方々で様々な三木作品の演奏があります。私は、日本語上演・ドイツ語字幕の《愛怨》の舞台稽古を監修したい のですが、熱心なドイツのスタッフ・キャストに任せ、寒い2月を避けて4月後半に、とてもお喜びの寂聴さんのファンご一行や、私の後援会「結の会」の人た ち、そして妻と聞きに行こうと相談しています。
皆様方も、感動と幸せで満たされる年でありますように。
2010年元旦
三木 稔/那名子