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三木稔 小オペラ、オペレッタ、音楽劇 作品紹介

牝鶏亭主 オペレッタ1幕3場
作曲年◆1963年、男声合唱団用、1992年、歌座用に改定
原作◆モーパッサン「トワ−ヌ」, 台本:河野哲二・松木ひろし
  ドイツ語版翻訳:Siegfried Schaarschmidt
時と場所◆都市近郊のコンビニエンス・ストア、もしくはもっと鄙びたよろず屋
ストーリー◆「よろずや」の大酒飲み亭主は、日がな一日友人のノッポと将棋ばかり指していたが、ある日、養鶏に熱心な女房と口論して脳溢血で倒れ、寝たきり亭主となってしまう。困った女房はノッポと計って亭主に卵を抱かせる。なんと卵は孵化し、のっぽや、店員・客たちを巻き込んでの爆笑コメディーが展開される。
配役◆[初演版] 女房(Sop), 亭主(Ten), のっぽ(Bar)と男声4部合唱
   [歌座版] 女房(Sop), 亭主(Ten), のっぽ(Bar)と女店員A,B および客(男女混ざってよい) A,B,C,D
楽器編成◆[初演版] 2Fl, Ob, Cl, Bsn, 2Hn, Tp, 2Tbn, 2Perc.
[歌座版] Vn, Fl(Picc) または 尺八(笛), Tbn, Pf, Perc.
上演時間◆ [初演版]40分(改定した歌座版では50分)、音楽総時間:26分
音楽ナンバー◆《前奏曲と開幕の合唱》、《牝鶏女房の歌》、《夫婦喧嘩の歌》、《王将ワルツ》、《脳溢血の歌》、《間奏曲第一》、《寝たきり亭主の歌》、《酒争いの歌》、《牝鶏亭主の歌》、《割れ卵の歌》、《間奏曲第二》、《ヒヨコ誕生の歌》
委嘱◆自主作曲、初演:1963年、東京リーダーターフェル定期演奏会、文京公会堂
  亭主:荒木宏明、女房:中村美紗子、ノッポ:中村義春、
  合唱:東京リーダーターフェル、指揮:三木稔、演出:秋浜悟史
歌座版初演◆1991年、東京芸術劇場小ホール2
  亭主:斎藤四郎、女房:萩原かおり、ノッポ:多田康芳、女店員:清水宏恵、
  荒川恵利香、客:青山由美、蓮沼律子、守屋泰枝、大森寿枝
  演奏:笛・尺八:藤崎重康、竹井誠、Vn:杉山さゆり、Pf:佐藤容子、
  打楽器:臼杵美智代、指揮:高橋明邦
  演出:ふじたあさや、衣装:小田切ようこ、照明:坂本義美
出版◆独語版Buhnen und Musikverlag AHN & SIMROCK(1972)
 
ききみみ 子供のための音楽劇1幕
作曲年◆1967年、教育楽器オーケストラ伴奏で小学生の演じる音楽劇として
    1973年、ピアノ伴奏用に編曲、
    1988年、歌座版、大人の歌手用に改定、伴奏もVnとPfとする
台本◆ふじたあさや
時と場所◆特に時代を特定せず、ある村の出来事
ストーリー◆勤勉な若者が野良仕事をしている時、矢を負った雉を助け、お礼に頭巾を貰う。その頭巾を被ると、なんと鳥や獣の話し声の内容がわかる。そして若者は、からすの会話から牛泥棒を見つけ、大立ち回りの末引き捕らえ、村中一安心の凱旋行進となる。
登場人物◆若者(Ten)、雉(Sop)、泥棒(Bar)、牛(M-Sop)、東と西のからす(Sop, M-Sop)
楽器編成◆[教育楽器オーケストラ版] 2 Soprano Sperio-pipe, Alto Sperio-pipe,
6~12 Harmonica, 6~12 Pianica, 3 Accordion, Base Accordion, Glockenspiel,
3 Xylophone, 2 Percussion, Pf, Electone, Organ
[歌座版] Vn, Pf, 歌い手たちの演奏する3 Recorder
上演時間◆20分(音楽のみ)
委嘱◆NHK教育TV、初演:1967年、世田谷区旭小学校生徒、指揮:陣内先生
ピアノ伴奏版初演1975年、都市センターホール、ビクター少年合唱団
歌座版初演◆ 1988年、京都福西小学校にて、歌座学校公演
 
花園にて ミニ・オペラ1幕
作曲年◆1985年、「反核日本の音楽家たち」の主たる企画として、三木稔プロデュースによる「オムニバス・オペラ・メッセージ‘85」を制作・上演したが、その中のオリジナル作品として作曲、スタッフ/キャスト全員ボランティアで出演
原案◆三木稔・三木那名子、台本:ふじたあさや
時と場所◆第二次大戦後、あの世の花園
ストーリー◆日本人、朝鮮人、アメリカ人捕虜の3被爆者と原爆飛行士が冥界で出会い、互いに憎しみをぶっつけあう。花園は毒に満ちる。しかし互いが加害者でもあり、被害者でもあることを認識することで4人の魂は救済を得、花園に光明が戻る。
 単に原爆被災者にとどまらず、人々を隔てる差別の問題とも絡めてこのプロットを設定した。
登場人物◆日本人原爆被爆者(Sop)、朝鮮人原爆被爆者(Sop)、アメリカ人捕虜で被爆者(Bar)、アメリカ人原爆搭載飛行士(Ten)
楽器編成:日本の民族楽器として篠笛・能管・尺八(またはFl)、朝鮮の民族楽器として伽耶琴、アメリカの楽器としてVibraphone, Drum set、花園の永遠のドローンとしてインドのTanbura(指揮者を兼ねる)
上演時間◆20分
初演◆1985年、都市センターホール
   アメリカ人捕虜:立川澄登、アメリカ人原爆搭載飛行士:中村健、
   日本人原爆被爆者:中村邦子、朝鮮人原爆被爆者:瀬山詠子
   指揮:三木稔、Fl・笛:西川浩平、伽耶琴:原谷治美、打楽器:田村拓男
 
オロチ伝 小オペラ1幕
作曲年◆1990年作曲の伝説による小オペラ《天王はんとヤマタノオロチ》を1992年に歌座用に改定して《オロチ伝》とし、同時にプロローグとエピローグを追加
台本◆ふじたあさや
時と場所:時代を特定せず、山村の祭礼に集まった村人たち。出雲・備中をはじめ、全国にあるオロチ伝説に対応する。
ストーリー◆山村の祭礼に集まった村人たち。名主が走りこんできて「神にささげる生贄を選ぶ時がきた」と告げる。桜子が選ばれ、悲しむ家族。そこに旅の武士(または高僧)が通りかかり、詳しく事情を聞く。そして「神とはとんでもない、それはオロチの仕業だ」と喝破し、村人たちに命じてオロチ退治の準備をはじめる。
 大きな酒樽を運びこんで、なみなみと酒を満たし、皆竹槍などをもって暗がりに潜む。やがて天地怪しく変わり、やって来たオロチが生贄の桜子に向かう途中、酒の匂いにだまされて酒樽に向かい、ぐでんぐでんに酔っ払う。その機を待って村人や武士(高僧)によってオロチはめでたく退治される。
【注】プロローグは「オロチ神楽」の練習中、エピローグは「オロチ神楽」の演奏と舞。ただしその使用はオプション。この音楽劇は、出雲・備中をはじめ、全国にあるオロチ伝説に対応する。
登場人物◆旅の武士、または高僧 (Ten)、名主(Bar)、父(Bar)、母(Alt)、上の姉・梅子(Mez)、下の姉・松子(Mez)、桜子(Sop)、オロチに扮する者たち(歌なし、ダンサーもしくは青年団員でも可能)、村の人々(混声合唱)
楽器編成◆Fl(Picc)または尺八(笛)、Tbn、Pf、打楽器   
上演時間◆40分(プロローグとエピローグを除くと32分)
初演◆1992年、東京芸術劇場小ホール1、歌座公演No.7
旅の武士:青木純、名主:境信博、父:神山陣、母:蓮沼律子、梅子:浅野幸枝、松子:大森寿枝、桜子:萩原かおり、ほか
演奏:尺八・能管:添川浩史、Tbn:榊原徹、Pf:田中真紀、打楽器:臼杵美智代、指揮:高橋明邦、演出:ふじたあさや
 
浄瑠璃姫物語・異聞 邦楽器のための伝説舞台
A Parody of Joruri-hime story (Strange Tales of Joruri-hime Monogatari)
声楽編成◆sop, m-sop, ten, bar
楽器編成◆fue, hichiriki, 3 shaku, biwa, sham, futo-shami, 3 21-koto, 3 b-koto, 2 perc
演奏時間◆72'
出版◆三木音楽舎
きみを呼ぶ声 オペラ1幕

作曲年◆2009年
台本◆武村知子
時と場所:現代。岬の周辺の砂丘、断崖の上、朝の海、千年の森と池、海と山の向こうが望める場所、灯台の近くの合唱舞台等。
ストーリー◆もうすぐ声が出なくなってしまう音哉は、歌を捨て、命を選んでしまった自分を責め、恋人のに別れを告げる。彼を愛する澪は「一緒に生きていこう」と励ますが、音哉には通じない。そこで魔法使いと自称するあかりが登場し、「お互いにお互いのことをすっかり忘れたら音哉に声を返してあげる」と提案するが、音哉は取り合わない。一方何とかして音哉に声を取り戻して欲しいと願う澪は、古い池のほとりで絵を描いている先生に出会い、「どうやったら恋人を忘れられるでしょうか」と問う。

音哉を忘れるために澪がとった行動は・・・
命か、歌か、愛か・・・音哉が最後に選んだものは・・・
他方、あかりと先生の謎解きのようなユーモラスな掛け合い・・・

合唱が描く、岬を廻る自然の中で、男女2組それぞれが独特なアリアや歌で訴えつつ、進行するドラマ。人にとって何が大切か、やがて感動のフィナーレが。
登場人物◆ 音哉(Ten)、澪(Sop)、あかり(M-sop)、先生(Bar)、6箇所の情景を歌い、最後にドラマにコミットする合唱団(女声合唱)
楽器編成◆Pf、団扇太鼓大小(合唱団員かスタッフ1人で演奏できる)   
上演時間◆60分(初演は65分)
初演◆1009年、御前崎市文化会館ホール
音哉:三村卓也、澪:松井美有紀、あかり:伊達伸子、先生:大石陽介、女声合唱:御前崎市オペラ合唱団
ピアノ演奏:落合洋美、団扇太鼓:栗田敏恵、指揮:堺武弥、演出:金子根古

制作:石原典子

【注1】各場の冒頭で紗幕の中で場の情景を歌う合唱はピアノ伴奏の女声合唱組曲《岬・道行》としてオペラから独立して演奏も出来る。オペラでは最後の場で紗幕から出て劇の中にコミットする。

【注2】オケピットがなくても、中小のホールでも、舞台装置や特別な衣裳を作る予算がなくても、元気なママさんコーラスを中心に、キチンとした指揮者や演出家が居れば上演できるので、作曲者は「エコオペラ」と称している。
 
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