オペラ紹介と批評

オペラ《あだ》1981年アメリカ初演評より(常俊明子訳)

 フランク・ピーターズ  <セントルイス・ポスト・デイスパッチ>
大成功。非常に感動的な叙情劇である。衝撃的でさえある。話の分かり易さも完璧。日本の芝居の知識など何もなくてよろしい。素晴らしい舞台と音楽の中にまたたく間に引き込まれ、深い感動を得ることうけあい。全てが効果的。三木の音楽は極彩色に透き通る紗の如く、リズムと織りに匠をこらした ものであった。

 ドナール・ハナハン  <ニューヨーク・タイムズ>
<アクターズ・リべンジ>でオペラの夕べはいつにもまして盛り上がった。華麗に入り組んだ筋書・・・歌舞伎の伝統に則った、想像力をかきたてる芝居の仕組みの数々に聴衆は息を飲んだ。音楽について云えば、邦楽と近代西洋音楽のイデイオムの以外な結びつき、そこに生まれた確かな調和があった。

 ジェームズ・ワーズビィッキ<セントルイス・グローブ・デモクラッツ>
聴衆はすっかり魅了されてしまっていた。このオペラは舞台に乗せられた最も驚嘆すべき公演の一つである。日本の伝統衣装と高度に様式化された歌舞伎の動きに目を奪われ、・・・オーケストラによる間奏曲はすばらしくエキゾチックで心に残った。

 ミカエル・ワルシュ   <タイム・マガジン>
作曲家は数個の単純なモチーフを駆使して、すばらしく感動的な響きを生み出した。

 ジョポ・ヴァライアテイ
西洋と東洋をたくみに混合し、音楽と舞台を美しく結合させた。三木は音楽のるつぼに種々多様な楽器を溶かし込んだ。

英語の全文はここをクリック

三木 稔